はじめに。
えーと、サイト公開当初にトップに置いてあったものです。ホントにシスプリを全く知らない人向け、なのか?
特に後半は「はじめに」って内容でもないんですが、とりあえず別の形でまとめるまではここに。

シスプリとは?

9人、ないし12人妹がいます。以上。
もとい、『シスター・プリンセス』はもともと、メディアワークス刊『電撃G’sマガジン』誌上で連載していた読者参加企画でした。当時の妹の人数は9人とある事情で別々に暮らしており2ヶ月に一度しか会えないのでメールのやりとりをしているというような設定でした。当初は9人もいて大変、というニュアンスではなく、毎回人気投票を行う(読参ですから)都合上頭数を揃えたというイメージであり、毎月一人ずつ取りあげるから楽しみにしてろという感じだったのですが、ゲームアニメへとメディア展開してみると、12人の妹が一堂に会して兄を追いかけ回すというこのシチュエーションの異常さ加減はどうでしょう。それだけで私にとって楽しめる要素は十分だったりする。しかも全員兄の呼び方が違うとくりゃ、もう。

ここで妹を一人ずつチェキしたい人はこちらへ。

設定について

初期のG’sマガジンでの連載(以下便宜上「原作」と呼びます)では、とりあえず「事情があって妹とは別々に暮らしている」という設定があるだけで、具体的な家庭環境その他の事情は一切明らかではありませんでした。妹と血が繋がっているかどうかについてすら制作側は明言を避けており、同誌上で大論争に発展したほどです。要するに好きなように想像しろ、と。実際、妹同士の横の繋がりなども皆無なので、全体の設定など必要なかったのでした。
ところが、ゲーム化、アニメ化に際しては、まがりなりにも一つの作品世界としての設定が必要になりました。妹が12人いて、しかも別々に暮らしていることについて納得のいく説明、そんなものがあるわけないんですが、無理でもなんでもつじつまを合わせるしかない。アニメでは「説明のつかないことは説明しない」という方針で、それまで自分に妹がいることすら知らなかった主人公が、何の事情説明もないまま12人の妹との同居生活に突入してしまい、しかも自分の置かれている状況にあまり疑問を抱いていないようです。まあ最終的なオチについてはいろいろ伏線を張ってるみたいですが、ロクなもんじゃなさそうですね。
※ その後、監督交代劇などもあり、オチのないまま終了しました。
しかし、なんとかつじつまを合わせようとしたゲーム版は、シナリオによって設定が変化するという荒技を見せつつも結局思いっきり破綻しているので、実はアニメの逃げ方は正解なのかもしれません。
PS版『シスター・プリンセス』のマニュアルによれば、「お兄ちゃん(主人公)には9人のかわいい妹がいる。でも、事情があって、妹たちは普段、いろいろな家庭に別々に預けられている。(中略)そして、パーティ当日。お兄ちゃんを待っていたプレゼントとは、なんと、3人の新しい妹たちだった。」ってなんだそりゃ!つまりゲーム版は、妹が9人いる主人公にさらに3人の新しい妹が増えるところからスタートします。そもそも新しい3人の妹が帰国子女という設定になっているのは一応こういう登場のさせかたを想定していたはずなのですが、実際にやってみると不自然きわまりないです。
第一、「事情があって別々の家庭に預けられて」いるわりには中途半端に全員同じ町に住んでいるのはなぜなんでしょうか。私はこう仮説を立てました。主人公の家は昔、地元ではちょっとした権勢を誇った名家だったのです。しかし主人公の父親の代で零落し、莫大な借金を作った両親は夜逃げして海外に身を隠しています。それでも地元には影響力がありますから、親戚やら昔恩を受けた関係者などが一人ずつ娘を預かった、と。全員が一つの家庭に預けられるというのはさすがに現実的ではないですからね。どっちにしろ現実的ではないですが。
しかし、この仮説では、主人公だけが独り暮らしをしている理由が説明できません。まだ高校生だから自活しているわけではないし、さりとて金に困っているようでもありません。逃げた両親の代わりに一人で家を守っているというのはどうだ?…と考えれば考えるほどドツボにハマりそうなのでやめます。ひょっとして独り暮らしではなく主人公もどこかの家庭に預けられているのだが、家族が一切描かれてないだけでは…?などと今思いついてしまいましたが、否定する根拠がないのが怖い(注:本編冒頭のモノローグから、独り暮らしであることは確認されました)。
しかし、以上の仮説は実は成り立たないのです。マニュアルには一切説明がないにもかかわらず(原作にもありません)、本編中で主人公の父親は外交官で、世界中を飛び回っていることが明らかになるからです。このように、説明書に記載がない重大な情報が特定キャラのシナリオ中で突然明かされるのがこのゲームのスリリングなところです。
さて、9人の妹に関しては、回想イベントなどから昔は一緒に暮らしていたことが明らかです。すると、新しい3人の妹はどうなのでしょう。3人が最年少(ほぼ確定)の雛子より年下ということはあり得ないので(まあ年齢については改めて議論したいと思いますが)、両親が海外へ行ってからできた妹なので知らなかったという解釈は成り立ちません。そもそも知らせるだろ、それくらい。
3人の登場時の主人公のコメントは、「父さんも母さんも日本に帰ってきてないから、まさか新しい妹が来てるとは思わなかったよ(太字部は引用者による)というものです。この時点で、両親は死んでるわけではなくおそらく海外にいることが判明するわけですが、新しい妹が「来てる」とは思わなかった、というのはどういう意味でしょう。どうやら新しい妹が「いる」ことは知っていたようなニュアンスです。比較的すぐに新しい妹の存在を受け入れてましたし。会うのが初めてだっただけだ、と。でも名前くらい知ってるだろ普通。

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